70'sおじさんの徒然日記

音楽が好きなしがないおじさんです。初めて衝撃を受けたのは、父親のビートルズ『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のLP盤でした。今昔問わず、好きなバンドの歌詞をメモしていこうかと思っています。息子に負けず、色んな音楽を聴いています(^^)/

The All Stars『What was Listening Now?!』

   こんにちは(^^)/

 いや、こんばんか(*_*)

 あっ、朝読んでる人もいるのかな(^-^;アブナイ

 先日に引き続き、棚の整理をしていると、懐かしいCDが! なんと、あのオールスターズっ!

 オールスターズと言っても、ウィーアーザワールドを歌ってたあのひとたちじゃなくて、The All Starsというバンド(*_*;ヘンナナマエ

 このバンドはずいぶん昔にちょっと出てきて、すぐ消えた謎の多いバンドです。その後十年くらいして、突然CDが出たんですよね。雑誌か何かで名前を見かけたことがあったので、気になってすぐ買いました。ファーストはリマスターもされず国内でも流通しているのを見かけたことはありませんが、セカンドはかなり高値のLPを見かけたことがあります。

 CDになって嬉しかったな~(^^♪ 

 家に帰って聞いてみると、ヘンテコだったんだけど、みんな褒めていたのを覚えていたので、なんとか食らいついて聴いていました。

 本日、改めて聞いてみると……最高にかっこいい!(*^^)v

 ってなことはなく……(-_-;)ナイノカヨ

 フツーでした……。たまにカッコいいんだけど、全体を通しては普通と言わざるを得ません。多分、もうこのアルバムが目新しいものだった時代ではないってことでしょうね。こういう曲を出すバンドが、今出てきても、何かの二番煎じにしか聞こえないでしょう。

 調べてみても、やっぱりこのバンドの情報はネットにありませんね。インターネットも万能じゃないんですね~(^-^;

 何かの役に立つかと思い、ライナーを引用しておきます!

 

The All Stars『What was Listening Now?!』

 このオールスターズというバンド名からどうかしてるグループというのは、なんとなく伝わるのが判るかと思。Gt.Vo.Jay Barnam Ba.Gilbart Dickens Dr.Colin Wisonの三人で結成されるこのバンドは、メジャーデビュー作であるファースト『Went to London and Came Back』が鳴かず飛ばずで、内容も正直どうでもいい……というかすべて平均点すぎて「わざわざ聴くほどでもない」「かといって悪くもない」といった評価を下された。それは批評誌上の評価であり、世間の耳はもっと厳しいものだった。何度かフェス出演やテレビ出演、ライブツアーも行われたが、代わりはいくらでもいる、というようにすぐに話題に名前がのぼることがなくなってしまう。結局、メジャー契約は打ち切られたらしい、という小さな噂が雑誌の端っこに載ることになる。

 ここでオールスターズの活躍は終わりかと思いきや、なんと別のレコード会社と再契約、再メジャーデビュー! ファーストの「ロンドンへ行って戻って来た」というタイトルが見事符合する形になった

 そんな彼らが(華々しくはないものの)再登壇したメジャーでかき鳴らしたギターは、見事に真っ二つの意見を獲得する。ある批評誌には「奇をてらったどうしようもない前衛崩れ」「戻ってきたはいいが全員下手になっている、休みが長すぎたのか?」「ウンチもらす直前みたいなボーカルの口を塞げ」「臭い」「一から勉強をしなおせ。行儀をだ」……。しかし他の批評家は「ひとは追い詰められた時に最も輝く、このアルバムがそれを物語っている」「ドラッグだとしても構わない、M4のギターは素晴らしい! 今週ずっとこのアルバムを聴いている」「彼らの音楽的素養は恐らく、ほとんどない。しかしあるだけのもので大きな城をつくった……ディズニーランドにもない素晴らしい城だ」……称賛の言葉の数々を送った。

 まさに「何を聴いてるんだ?!」と言いたくなるようなしっちゃかめっちゃかなアルバム(いいや、曲群という表現が正しいのかもしれない)ではあるが、聴いている間は唯一無二の体験となるだろう。この世界の(もちろん〝ド田舎″ケンタッキー州にも)どこにもない衝撃がある。

 さて、ぼくはこのアルバムのM1 My Sweet Feelin'は、正直言ってあまり好きじゃない。今までの彼らの曲では一番出来がいいからだ。……これは反語的表現とかではなく、本当に出来がいいと思う。シングルA面として発売され大ヒット。彼らの経歴の全部をひっくるめて一番聴かれた曲だと思う。でも、聴かれるべき曲ではない。そんなM1が霞むアルバムってわけだ。ぜひ一聴してほしい。でも、二曲目以降は何聴もしてほしい。

 M2 What do the're,Got TogetherはシングルのB面として発売されたわけだが、私はとにかくその度胸に感服する。この曲は「予約したスタジオの中で別のバンドが入り込み、勝手に練習を始めていたので、それを勝手に録音し、オーバーダブを施して別の曲にした」というものだ。その入り込んでたバンドがあのレッドツェッペリンということもあり(このエピソードは有名だよね)、もちろんレコード会社と訴訟沙汰。しかし寛大なバンドの態度によって訴訟は取り下げられた。そんな「おまけ付き」の曲は、ヘンテコなコード、ヘンテコなシンセサウンド、アウトロを飾るチャイコフスキーのThe Sick Doll……。シングルを買ったリスナーを混乱の渦に叩き込んだ。しかしこの混乱の沼に浸かってみるのも一興だ。

 M3 The Sick Doll Houseは全曲のアウトロを継いでの一曲。The Sick Dollをアコースティックなバンドサウンドで奏でる。しかしその録音機材の周りを、ネズミか何かが歩いている足音がする。それは二本足の何かで、子供よりも拙い足取りだ。その足音はやがてこちらに近づいてくる。最後にはバンドメンバー全員で「ママ、ママ……」と泣くのがかなり不気味だが、そのサウンドの静謐さは、このバンドの音のセンス、あるいはマスタリング技師の腕が相当良いということである。

 M4 The Dick Sollは人形と遊ぶ男の歌だ。歌詞の受け取りようによっては、人形を犯す男や、死体を犯す男の曲にも思えるところで、作詞にこだわるバンドの姿がみえる。しかし最後に「ママ」と歌うその音程は間違いなくQueenBohemian Rhapsodyだ。曲全体でもKeep Yourself Aliveを参考にしているのがわかる。ジェイ・バーナムが大のクイーンファンを自称しているところから、それは間違いないだろう。しかしそんな曲をわざわざ6分の6拍子で仕上げるのが、彼らの憎らしいところ。曲調も一筋縄のロックとは言えず、一部でギターの弦を輪ゴムに、ベースの弦はパスタに代えて演奏したとのことで、サウンドも珍奇だ。

 M5 Shristmas Congsは見てわかる通り、クリスマスソングの頭文字を入れ替えたものだ。では内容はどうかというと、どうしようもないものだ。全員が「Amen」を早口で連呼して、めちゃくちゃに楽器をかき鳴らすだけ。その中に即興演奏的音楽性や、ちょっとのメロディらしきものはない。どちらかというと同時代で活躍したFrank Zappaの前衛的な曲を連想する

 このアルバムの折り返し地点であるM6 Moodは、まるでセイレーンを思わせる美しいピアノの旋律が流れる。そこに聖歌隊から連れてきたらしい子供の歌声。歌詞の内容はこうだ……「ラスコーの壁画 ラスコーの壁画/落書きのようだ/フラスコの音楽 フラスコの音楽/落書きのようだ」。この曲を聴いたエリック・クラプトンが「お前たちが言うな」とコメントし、それに対して「歌ったのは子供であって俺たちではない」と返したのは有名なエピソードである。しかしその後クラプトン直々にバンドメンバーが本気の説教を受けたのは知る人ぞ知るエピソードとなっている。

 M7 Track7はある種先見の明があった曲だろう。クラウトロック的なリフのループ、大きく鳴り響くバスドラム。さらに痺れるメロディのシンセサイザーと、テクノミュージックの源流の一つとして数えられてもおかしくはない。しかしこの曲はインタールード的な使われ方をしていて、曲の長さも132と短い。しかしこの短い間、私たちは間違いなくダンスの衝動に駆られるのだ。

 M8 Long Long Music Isはライブの熱狂の最中に人生を見出す男の歌だ。この音楽はピアノの弦に名だたるロックミュージシャンのレコードを挟んだ(プリペアード)という無茶苦茶なものだ。しかしその酔っ払ったようなピアノの音の上に、まるでブルースのようにいななくギターが覆いかぶさる。必聴。

 M9 Entediadoはポルトガル語で「退屈」を意味する。王道のロックミュージックといった様子ではあるが、歌詞はない。しかしボーカルのジェイが意味のない言葉を歌うこの曲は、不思議と人の胸を打つ。途中から遊園地のような牧歌的な音楽が流れ、人々の話し声が聞こえる。その上から、さらにハイテンションになるボーカルの叫び……必聴である。しかしこの話し声、どこで録音したのかわからないのだが、男の子がたどたどしい日本語で「うんち!」となんども叫んでいるのが気になる。

M10 Tried The Worldはひたすらかっこいいロックナンバー。音も先進的で、爽快感がある「良い曲」である。こちらも歌詞はなく猫の鳴き声がずっと聞こえ続けているのみだ。この猫の鳴き声の可愛さはロック史上1番だろう。

 さてこのアルバムがイギリスでリリースされてから10年が経ち、なぜか今、日本で初めて発売されるわけだが、これにはわけがある。それはGt.Vo.であるジェイが去年の春に亡くなったためだ。ジェイは日本のレコード会社と交流が厚く、しかしアルバムには恵まれていなかった。それはジェイがスタジオミュージシャンとして生計を立てていて、そのうちに仲良くなったミュージシャンに日本人がいた。それが元YMO細野晴臣である。

 細野を通じて日本との交流が出来、親日家として家族で日本旅行をすること数回、活動の地盤が出来始めた矢先の訃報だった。

 結果としてBaのギルバートは行方不明、Drのコリンはセカンド発売後に発狂してしまったので、もうオールスターズは動き出すことはない。

 しかしこうして日の目を見ることがないとされていたセカンドが私たちの手元にある。それだけでも、数々の消えていったミュージシャン達にとって希望になり得る。日々新しいものが増え続けていく昨今、このような嬉しい「リバイバル」があり得るということもある種の希望だ。

 R.I.P.ジェイ・バーナム!

 

このバンドもやっぱり音源はなく、がっかり……(;O;)

知ってる人、こっそり教えて!(#^.^#)コッソリネ